風水の基礎 中国の風水と日本の家相のちがい
インテリアや方位の話題でよく登場する「風水」。しかし日本で風水と呼ばれているものの多くは、中国の風水そのものではありません。ここは混同されやすいところです。
風水とは何か
ブリタニカ百科事典は風水を、建物・空間・物を気(き/qi)と調和するように配置する古代中国の実践と説明しています。中核となる概念は気の流れ・陰陽の均衡・五行です。
名前の由来は、晋代の郭璞『葬書』の一節「気は風に乗れば則ち散り、水に界せられば則ち止まる」にあるとされます。別名を堪輿(かんよ)といいます。
二大流派 巒頭と理気
- 巒頭(らんとう/形勢派):山や川など地形・景観の物理的な特徴に着目する。唐宋のあいだ(9世紀ごろ)に江西省で成立したとされる
- 理気(りき/羅盤派):方位と数理の体系を用いる。宋代(11世紀ごろ)に福建省で成立したとされる
理気で使う道具が羅盤(らばん)です。同心円状に漢字が配された精密な方位盤で、風水を象徴する道具として知られています。実務では巒頭を6〜8割、理気を2〜4割の比重で扱うとされます。
ここが重要:日本には風水が唐代に完全成立する以前の一部の理論だけが伝わり、それが陰陽道や家相として取り込まれ、中国本土とは別の形で独自に発展しました。同じ言葉でも中身が違うのです。
日本の「風水」の実態
この点は率直に書いておきます。近年、日本国内で「風水」の名で行われている占いの多くは、風水そのものではなく、家相術や九星気学のアレンジである、と指摘されています。
また、四神相応は飛鳥・奈良期に伝わった日本独自の概念で、現代の風水とは無関係です。江戸の都市建設に陰陽道や宿曜道の関与が指摘されることはありますが、風水が関与したという記録は存在しません。「江戸は風水で設計された」という説明を見かけたら、慎重に受け止めてください。
日本での風水ブームの契機は、1994年の荒俣宏『風水先生』とされています。比較的新しい流行です。
楽しみ方として
掃除をする、動線を整える、光や風を通す——風水として語られる工夫の多くは、住まいを快適にする実践としても意味があります。効果を保証するものとして受け取るのではなく、部屋を整えるきっかけとして使うのが、無理のない楽しみ方でしょう。
おもな出典:
- ブリタニカ百科事典「fengshui」
- 三浦國雄『風水講義』文藝春秋 2006/目崎茂和『図説 風水学』東京書籍 1998(日本語版Wikipedia「風水」が参照する文献)
次に読む:四柱推命と九星気学の基礎/六曜の意味と決まり方
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