星座占いはいつ生まれたか 新聞コラムから始まった歴史
雑誌やテレビでおなじみの「12星座占い」。生まれた日だけでわかる手軽さが特徴ですが、この形式は意外と新しいものです。占星術そのものは数千年の歴史がありますが、星座占いは20世紀に生まれました。
占星術の長い歴史
ブリタニカ百科事典によれば、占星術は古代中東の「星の前兆」を読む営みに始まり、エジプト・ギリシア・インド・中国へ広がりました。体系として整えられたのはヘレニズム期(紀元前3世紀〜紀元後3世紀)とされます。
その後インド、サーサーン朝イラン、イスラーム世界、ビザンツを経て西欧に伝わりました。黄道十二宮(12サイン)はバビロニア起源で、黄道に沿って12等分・各30度という区分です。
1930年、イギリスの新聞から
今の「星座占い」の直接の起源ははっきりしています。イギリスの占星術家R・H・ネイラー(1889〜1952)です。
1930年8月24日、サンデー・エクスプレス紙が、生まれたばかりのマーガレット王女についてネイラーに記事を書かせました。この記事のなかで、彼は誕生日別の一般的な予測も併せて載せています。
同年9月、ネイラーが「英国の航空機が危険に遭う」と書いた直後の10月5日に、飛行船R101がフランスで墜落。これで評判を得た彼は、週刊コラムを持つことになりました。
星座と実際の星空はずれている
知っておきたい事実がひとつあります。ブリタニカ百科事典は、占星術で使うサイン(宮)と、実際の天文学上の星座は一致していないと指摘しています。
原因は春分点歳差です。地球の自転軸はゆっくり移動しており、長い年月のあいだに基準点がずれていきます。占星術で一般的に使われるのは、実際の星の位置ではなく春分点を基準に12等分した区分です。
歴史として楽しむ
星座占いは、数千年の占星術の伝統から、20世紀の新聞というメディアに合わせて切り出された形式だといえます。そういう成り立ちを知ったうえで読むと、また違った面白さがあります。
- ブリタニカ百科事典「astrology」「zodiac」「horoscope」
- R.H. Naylor(Sunday Express 1930年8月24日付記事ほか)