手相と姓名判断の基礎 形と文字から読む相術
目に見える形を手がかりにする占いを相術といいます。ここでは代表的な手相と姓名判断を取り上げます。
手相の歴史
ブリタニカ百科事典によれば、手相(英語で palmistry、別名 chiromancy)の起源は古代インドとみられ、そこから各地へ伝播しました。中国・チベット・ペルシア・メソポタミア・エジプトに記録があり、古代ギリシアで大きく発展したとされます。
中世には魔女狩りの担い手が「悪魔の印」を見つける口実に悪用した時期があり、ルネサンス期に復興。19世紀にダルパンティニーやルイ・アモン(Cheiro)らによって大流行しました。
三大線と丘
日本で一般的に使われる名称は次のとおりです。
- 生命線/知能線(頭脳線)/感情線——三大線と呼ばれます
- ほかに運命線・太陽線・健康線・結婚線など
- 丘(きゅう):指の付け根や手のひら周縁の盛り上がった部分
大きくは西洋手相術と東洋手相術(易学の要素を取り込んだ中国相法)に分かれ、それぞれの中にも複数の流派があります。
姓名判断 五格という体系
姓名の画数を組み合わせて読む方法です。一般的には五格という枠組みが使われます。
- 天格:姓の画数
- 人格:姓の最後の字+名の最初の字の画数(五格の中心とされる)
- 地格:名の画数
- 外格:総格から人格を引いたもの
- 総格:姓名全体の画数
画数の数え方は流派で異なる
ここが実務上いちばん大きな注意点です。旧字体で数えるか新字体で数えるか、部首をどう換算するか、ひらがなや「々」「澤/沢」のような異体字をどう扱うか——これらが流派によって一定しません。
同じ名前でも、依頼する相手によって結果が変わりうるということです。複数のサイトで診断すると違う答えが出るのは、多くの場合これが理由です。
広めたのは昭和初期
熊崎健翁(1881〜1961。生年は資料により記述の揺れあり)が1928年に東京・大森に「五聖閣」を設立し、1929年に雑誌『主婦之友』誌上で「熊崎式姓名学」を発表しました。国立国会図書館デジタルコレクションに『熊崎式姓名学』が所蔵されています。
なお、五格の体系を熊崎健翁が創始したという因果関係については、今回の調査で確認できませんでした。「熊崎式が昭和初期に広く普及させた」までが確認できる範囲です。姓名判断に科学的根拠が示されているわけではない点も、あわせて押さえておきましょう。
- ブリタニカ百科事典「palmistry」
- 国立国会図書館デジタルコレクション『熊崎式姓名学』