「無料」から始まるトラブル 占いサイトの手口
占いサイトのトラブルには、共通した流れがあります。国民生活センターが整理した手口を知っておくと、途中で「これはあの型だ」と気づけます。
典型的な流れ
- 無料で始まる:「無料鑑定」「無料10分」などをきっかけに登録する
- 特別扱いされる:「あなたは選ばれた」「あなただけに伝えたい」といったメッセージが届く
- やりとりが続く:数字や言葉を送るよう促され、そのたびにポイントが減っていく
- やめにくくなる:「ここでやめると不幸になる」「あと少しで変わる」と引き止められる
- 気づくと高額:合計額を見て初めて驚く
「選ばれし者」は定型文です:国民生活センターは、個別に選ばれた印象を装うメッセージについて、実際は多数の消費者へ送られる定型メッセージであると指摘しています。自分だけに届いていると感じさせる設計になっています。
なぜ止まりにくいのか
この流れが厄介なのは、1回あたりの金額が小さいことです。1通数百円なら、その場では大きな決断に感じません。しかし積み重なると、平均122万円という数字になります。
また「ここまで使ったのだから」という気持ちも働きます。すでに払った分は戻ってきません。これから払う分だけを考えて判断してください。
個人情報にも注意
「無料」に登録したあと、個人情報が流出し数十件の迷惑メールを受信したという相談事例も公表されています。同センターは「『無料』表示でも安易に個人情報を入力しない」と呼びかけています。
定期購入型にも同じ構造がある
物販の世界では、この「お試しから継続へ」という型が大きな問題になりました。通信販売の定期購入に関する相談は2020年度に56,088件に達しています。
これを受けて2022年6月1日施行の改正特定商取引法で、申込みの最終確認画面での表示義務(法第12条の6)と、表示義務違反があった場合の取消権(法第15条の4)が新設されました。占いの月額サービスにも同じ考え方があてはまります。
止まるための3つの習慣
- 金額の上限を先に決める:「今月は◯円まで」
- やりとりを保存する:国民生活センターも、退会前にスクリーンショットの保存を助言しています
- 急かされたら離れる:今日決めなくていいことは、今日決めない
そして、すでに大きな金額を支払ってしまった場合も、あきらめる前に相談してください。相談先はこちらにまとめています。
おもな出典:
- 国民生活センター「占いサイトのトラブルに注意」(2020年11月26日)
- 国民生活センター「詐欺的な定期購入商法」(2022年6月9日)
- 消費者庁 特定商取引法ガイド
次に読む:困ったときの相談先/「初回無料」の読み方
本コラムは、占いを文化・歴史・体系として整理し、あわせて消費者トラブルを避けるための一般的な情報をまとめたものです。占いによって将来を言い当てられる、運勢が変わるといった効果を示すものではありません。占いの内容に科学的な裏づけがあることを主張するものでもありません。人生の重要な決定、健康、金銭に関する判断は、占いの結果ではなく、ご自身の判断と、必要に応じて医師・弁護士・公的窓口など専門家への相談にもとづいて行ってください。法令・制度は改正されることがあるため、最新の情報は消費者庁・国民生活センターなど公的機関の発表をご確認ください。