霊感商法に気をつける 消費者契約法の取消権
占いを入口にしたトラブルのなかで、とくに被害が大きくなりやすいのが霊感商法です。ただし法律には、こうした契約を取り消せる仕組みがあります。知っておくだけで違います。
どういう手口か
国民生活センターは霊感商法を、不安につけ込み「これを買えば不幸から免れる」「先祖供養しないと病気は治らない」といった名目で、壺・数珠・印鑑などの高額商品を購入させたり、祈祷料・お布施名目で金銭を要求したりする商法、と説明しています。
消費者契約法で取り消せる場合がある
消費者契約法第4条第3項第8号は、次のような場合に契約を取り消せると定めています。条文の要点を分解すると、こうなります。
- 事業者が、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として
- 消費者またはその親族の生命・身体・財産その他の重要な事項について
- そのままでは重大な不利益が生じるという不安をあおり、または不安を抱いていることに乗じて
- その不利益を回避するには契約の締結が必要不可欠だと告げ
- それによって消費者が困惑して契約した
消費者庁が挙げる例として、持病を相談した高齢の消費者に対し、事業者が「悪霊が憑いているから悪化している」と告げ、特定の石や数珠を購入すれば必ず治ると述べたケースがあります。
期間が延ばされた理由について、消費者庁は「霊感等により正常な判断を行うことができない状態から脱するのに相当程度の時間を要する」という指摘を踏まえたものだと説明しています。時間が経っていても、あきらめる前に相談する価値があります。
公的データで見る実態
消費者庁の検討会資料によると、霊感商法(開運商法)に関する消費生活相談は2021年度で1,435件。契約購入金額の平均は約113万円でした。相談者は男性325件(平均年齢60.8歳)、女性1,081件(平均年齢60.1歳)で、中高年から高齢層が中心です。
注目したいのは商品・役務の内訳です。「占い・祈とうサービス(インターネット通信販売等)」が54.4%、「占い・祈とうサービス(その他)」が15.2%——あわせて約7割を占めています。
迷ったら相談する
「自分が悪かった」と思って抱え込む必要はありません。消費者ホットライン188、または法テラスの霊感商法等対応ダイヤル(0120-005931・通話無料)があります。詳しくは困ったときの相談先をご覧ください。
- e-Gov法令検索 消費者契約法 第4条第3項第8号・第7条第1項
- 消費者庁 令和4年法律第99号 改正概要(2023年1月5日施行)
- 消費者庁「霊感商法(開運商法)に関する消費生活相談について」
- 国民生活センター FAQ「霊感商法とは何か」