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買う前に見る表示 マークと期限の読み方

カテゴリ:選び方・価格 / 最終更新日:2026年8月9日

防災グッズには、いろいろなマークや表示が付いています。ただし、それらは性質が違います。法律で義務づけられているものと、民間団体の任意の認定が混在しています。この区別ができると、商品ページの情報の読み方が変わります。

1. 法律にもとづくもの

PSEマーク
(電気用品安全法)
法律上の義務。モバイルバッテリーは丸形(特定電気用品以外)。2019年2月1日以降、マークと届出事業者の名称等が表示された製品でなければ国内販売できません。電安法第27条第1項により、販売だけでなく陳列も禁止されています。
賞味期限・消費期限
(食品表示法/食品表示基準)
法律上の義務。食品表示基準第3条第1項。製造・加工の日から賞味期限までが3か月を超える場合は年月表示が認められています。
消火器の期限表示
(消火器の技術上の規格を定める省令)
表示が法律上の義務。ただし年数そのものを法令が定めているわけではありません。省令第38条第1項第19号ハ(住宅用以外)は「標準的な使用条件の下で使用した場合に安全上支障がなく使用することができる標準的な期間又は期限として設計上設定される期間又は期限」の表示を、第44条第14号ロ(住宅用)は「使用期間又は使用期限に関する事項」の表示を義務づけています。年数は製造者が設定した値です。
防炎ラベル(防炎物品)
(消防法第8条の3)
法律上の義務対象がある。ただし義務対象は高層建築物(高さ31m超)や地下街、劇場・旅館・病院など政令で定める防火対象物で使うカーテン等です。戸建住宅や31m以下の共同住宅は対象外です。

2. 民間団体の任意認定・任意規格

携帯トイレの規格適合
(日本トイレ研究所)
NPO法人の任意規格。JISではありません。「携帯トイレに関する規格 Ver.1.0」。構造・吸収性能・表示が必須、防臭性能は任意。事業者の任意申請制で、2025年6月に評価が開始されました。
防炎製品
(日本防炎協会)
任意認定。消防法上の防炎物品「以外」の製品(寝具類、テント類、シート類、非常用持出袋、防災頭巾等、衣服類など)について、協会が独自に定めた基準で認定するものです。「消防法の認定」ではありません。
任意認定=価値がない、という意味ではありません。第三者の試験を経ているという事実は、選ぶうえで有用な情報です。ただし「法律で義務づけられている」という書き方をしている広告表現を見かけたら、いったん立ち止まって確認する価値があります。

3. 確認できなかったもの——防災頭巾

防災頭巾については、正直に書きます。当編集部が調べた範囲では、防災頭巾の頭部保護性能(衝撃吸収・耐貫通)を定めた公的規格を確認できませんでした。

参考として、労働現場で使われる保護帽(ヘルメット)には規格があります。労働安全衛生法第42条にもとづき、厚生労働省告示「保護帽の規格」(昭和50年9月8日労働省告示第66号、最終改正 令和元年6月28日厚生労働省告示第48号)が、帽体・着装体・あごひもの構造や表示事項(製造者名、製造年月、飛来落下用か墜落用かの別)を定めています。ただしこれは労働現場での譲渡制限・型式検定のための規格であって、家庭の防災備蓄品に着用義務を課すものではありません。

また、日本防炎協会の防炎製品認定品目に「防災頭巾等」が含まれますが、これは燃えにくさ(防炎性能)の認定であって、頭部保護性能の規格ではありません。この2つを混同しないようご注意ください。

4. 商品ページで実際に見るところ

  1. マークの種類と、それが義務か任意か——上の表で区別できます。
  2. 届出事業者・製造者の名称——PSEはマーク単独ではなく、事業者名とセットで確認します。
  3. 期限の表示形式——年月日か年月か。年月なら3か月超の商品です。
  4. 数量の単位——「◯回分」「◯食分」「◯L」。1単位あたりに直して比べます。
  5. 「消防署の指導」「法律で義務」という表現——本当に義務なのかを確認します。消防庁は、消防署の依頼であるかのように装った消火器の訪問販売について注意喚起を出しています(こちら)。

まとめ

義務(PSE・期限表示・消火器の期限表示・防炎物品)任意(携帯トイレ規格適合・防炎製品)は別物です。そして防災頭巾の頭部保護規格は確認できませんでした。「規格をクリア」と書かれていたら、何の規格かを見てください。

おもな出典:
  • 電気用品安全法(昭和36年法律第234号)第10条・第27条
  • 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第3条第1項
  • 消火器の技術上の規格を定める省令(昭和39年自治省令第27号)第38条第1項第19号ハ・第44条第14号
  • 消防法(昭和23年法律第186号)第8条の3、消防法施行令第4条の3
  • 特定非営利活動法人 日本トイレ研究所「携帯トイレに関する規格適合評価」
  • 公益財団法人日本防炎協会「防炎について」
  • 労働安全衛生法第42条、厚生労働省告示「保護帽の規格」(昭和50年9月8日労働省告示第66号)
本コラムは、内閣府・総務省消防庁・気象庁・農林水産省・消費者庁・国民生活センター・NITE(製品評価技術基盤機構)など、公的機関が公表している資料をもとに一般的な情報を整理したものです。特定の商品の性能や、災害時の安全を保証するものではありません。法令・ガイドライン・統計は改正・更新されることがあるため、最新の情報は各機関およびお住まいの自治体の発表をご確認ください。実際の避難行動は、そのときの状況と自治体が発令する避難情報、現場の指示に従ってください。