非常食と水は「1食あたり」「1リットルあたり」で
非常食のセットは「30食分」「12食分」「アルファ米50食」と単位がまちまちです。保存水も500mLと2Lが混在します。金額だけを並べても比べたことにはなりません。
1. 単位をそろえる
| 非常食 | 1食あたりの価格 = 価格 ÷ 食数 |
|---|---|
| 保存水・飲料水 | 1リットルあたりの価格 = 価格 ÷ 総リットル数 |
| カセットボンベ | 1本あたりの価格 = 価格 ÷ 本数 |
| 携帯トイレ | 1回あたりの価格 = 価格 ÷ 回数(くわしくはこちら) |
送料が別にかかる場合は、送料込みの総額で割ります。防災用品は重くてかさばるものが多く、送料が価格を左右しやすい分野です。
2. 必要量から逆算する
公的資料が示す目安を単位換算すると、次のようになります。
- 水——1人1日3リットル(飲用+調理/農林水産省)。3日で9リットル、7日で21リットル。2Lボトル換算で、1人1週間あたり約11本。
- 米——1人1食75g程度(農林水産省 食育ガイド)。大人2人・1週間分の例では2kg×2袋。
- カセットボンベ——1人1週間で約6本(農林水産省)。
4人家族・1週間なら水は84リットル。2Lボトル42本、6本入りの箱で7箱です。置ける場所があるかを先に確認するほうが、買ってから困りません。
3. 価格に表れない項目
1食あたりの金額だけでは見えない差があります。買う前に確認しておきたい項目を挙げます。
- 調理に何が要るか——アルファ化米は水またはお湯が必要です。この水は飲料用とは別に見込む必要があります。必要量は商品に表示されています。
- そのまま食べられるか——缶詰やレトルトには、温めずに食べられるものがあります。停電・断水の初日を考えると、この区別は実用上大きな差です。
- 期限の表示——年月日か年月か。3か月を超える商品は年月表示が認められています(食品表示基準第3条第1項)。なお、非常食の保存年数を示す公的資料は確認できませんでした。商品表示でご確認ください。
- アレルギー表示——非常時ほど代わりがききません。
- 味と食べ慣れているか——農林水産省は高齢の方向けに「食べ慣れた食品があると安心」と書いています。ローリングストックで普段から食べておけば、この点は自然に確認できます。
- ごみの量——災害時はごみ収集が止まります。パッケージが大きい商品はごみもかさみます。
4. 栄養の偏り
農林水産省のストックガイドは、災害直後は炭水化物に偏りやすく、タンパク質不足やビタミン・ミネラル・食物繊維の欠乏から「便秘・口内炎などに悩んだ」事例を紹介しています。1食あたりの安さだけで組むと、主食ばかりになりがちです。缶詰の魚や豆、野菜ジュース、栄養補助食品を意識して混ぜる——という視点は持っておいたほうがよさそうです。
5. アプリではどう扱うか
アプリ「防災メキキ」では、メーカーの型番がある単品(非常食のメーカー品、保存水、携帯トイレ、カセットボンベなど)については複数の販売サイトの価格をならべ、あわせて1食あたり・1リットルあたり・1回あたりに換算した数字を出す方向で設計しています。
一方、販売事業者が独自に組んだ防災セットは、同一商品として突き合わせることができません。こちらは価格の順位ではなく中身の内訳を並べる形にします(くわしくはこちら)。
まとめ
非常食は1食あたり、水は1リットルあたりにそろえて見る。ただし、調理に必要な水・そのまま食べられるか・アレルギー表示・ごみの量は、価格には表れません。
おもな出典:
- 農林水産省 食育ガイド「いざという時のために 災害への備え」
- 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」第3章・第5章・第7章
- 農林水産省 家庭備蓄ポータル「大事な水、どうやって備えますか?」
- 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)第3条第1項
本コラムは、内閣府・総務省消防庁・気象庁・農林水産省・消費者庁・国民生活センター・NITE(製品評価技術基盤機構)など、公的機関が公表している資料をもとに一般的な情報を整理したものです。特定の商品の性能や、災害時の安全を保証するものではありません。法令・ガイドライン・統計は改正・更新されることがあるため、最新の情報は各機関およびお住まいの自治体の発表をご確認ください。実際の避難行動は、そのときの状況と自治体が発令する避難情報、現場の指示に従ってください。