防災セットと単品買い 価格を比べられるのはどちら?
防災グッズの買い方には、大きく2つあります。必要なものが一式入った防災セットを買うか、必要なものを単品で揃えていくか。どちらが良いという話ではなく、価格の比べ方がまったく違うという点を先に知っておくと、買い物が楽になります。
1. 同じ商品かどうかを、何で判断しているか
複数の販売サイトで「同じ商品」の価格を並べるには、それが同じ商品であることを機械的に確認できなければなりません。その手がかりになるのがJANコード(商品バーコードの番号)です。メーカーが製造している製品には、原則としてJANコードが割り当てられています。
ここに、防災グッズならではの分かれ目があります。
| 価格を並べられるもの | メーカーの型番・JANコードがある単品。非常食(メーカー品)、保存水、携帯トイレ、カセットボンベ、乾電池、モバイルバッテリー、消火器など。同じ商品が複数の販売サイトで扱われていることが多く、価格をならべられます。 |
|---|---|
| 価格を並べにくいもの | 販売事業者が独自に組んだ防災セット。中身の構成が各社で違い、同一商品としての突き合わせができません。「A社の30点セット」と「B社の32点セット」は、そもそも別の商品です。 |
2. セットの価格を「比較」と呼ばない理由
中身が違うものを金額だけで並べると、安いほうが得に見えます。しかし、片方には携帯トイレが20回分入っていて、もう片方には5回分しか入っていないかもしれません。片方のヘルメットは折りたたみ式で、もう片方は防災ずきんかもしれません。これを「価格比較」として提示するのは、実態と合っていません。
メキキの運営方針の1つに「比較できるものだけを比較として示す」があります。同一商品として突き合わせられないものを、比較のように見せることはしません。防災セットについては、価格の順位ではなく中身の内訳——何が何個入っているか——を並べて、判断の材料にしていただく形を考えています。
3. セットが向いている場合
- これから初めて揃える。何が必要かを一から調べる時間が取れない場合、セットは出発点として合理的です。
- 持ち出し袋として使いたい。リュックと中身がまとまっているので、玄関に置くだけで形になります。
- 贈り物にする。実家や独立した子どもへ送る場合、選ぶ手間が省けます。
4. 単品が向いている場合
- 家族構成に合わせたい。赤ちゃんのミルク、高齢の家族の食べやすい食品、ペットのフード——これらはセットには入っていません。
- 量を確保したい。携帯トイレは人数×1日5回×日数が必要です(こちら)。セットに入っている回数分では足りないことが多くあります。
- 価格を確かめたい。単品なら複数の販売サイトで同じ商品の価格を見比べられます。
- すでにあるものを重複させたくない。懐中電灯やラジオは、家にあるもので足りる場合があります。
5. 現実的な組み合わせ方
両方を使い分けるのが、実際にはいちばん無理がありません。
- 持ち出し袋はセットで——一式そろえて玄関に置く
- 量が要るものは単品で買い足す——水、携帯トイレ、カセットボンベ、食料
- 代わりがきかないものを自分で足す——処方薬、ミルク、アレルギー対応食、ペット用品
セットの中身を一度全部出して、家族の人数で割ってみると、何が足りないかがはっきりします。
まとめ
防災セットは中身が各社で違うため、価格だけで比べることはできません。単品は同じ商品を複数の販売サイトで見比べられます。セットは出発点、量と個別事情は単品で——という組み立てが現実的です。
おもな出典:
- メキキ運営方針(運営者情報)
- 内閣府(防災担当)「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(令和6年12月改定)
- 総務省消防庁「非常用持出品チェックシート」「備蓄品チェックシート」
本コラムは、内閣府・総務省消防庁・気象庁・農林水産省・消費者庁・国民生活センター・NITE(製品評価技術基盤機構)など、公的機関が公表している資料をもとに一般的な情報を整理したものです。特定の商品の性能や、災害時の安全を保証するものではありません。法令・ガイドライン・統計は改正・更新されることがあるため、最新の情報は各機関およびお住まいの自治体の発表をご確認ください。実際の避難行動は、そのときの状況と自治体が発令する避難情報、現場の指示に従ってください。