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カセットこんろとボンベ 必要本数と、事故を防ぐ3点

カテゴリ:備えの中身 / 最終更新日:2026年8月9日

停電・ガス停止のとき、温かいものを食べられるかどうかは体調に直結します。家庭で現実的な熱源は、多くの場合カセットこんろです。

1. 必要な本数

農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」第7章「熱源を確保しよう」には、次の記載があります。

1人/1週間当たり、カセットボンベ約6本の備蓄が必要となります。」
使用期限にご注意(ボンベ:約7年、コンロ:約10年)

4人家族で1週間なら、単純計算で24本。同省の食育ガイドが挙げる大人2人・1週間分の例では12本となっています。かなりの本数です。

2. 使用期限の目安

「ボンベ約7年、こんろ約10年」という目安は、複数の公的機関が示しています。

  • 農林水産省——上記のとおり
  • 兵庫県立消費生活総合センター(2024年12月)——「カセットこんろは製造から10年を目安に使用をやめましょう。カセットボンベは製造から7年を目安に使い切りましょう」(根拠として一般社団法人日本ガス石油機器工業会・農林水産省を提示)
  • 国民生活センター(2025年1月16日)——「カセットボンベの使用年数は約7年までが目安」。古いボンベは破裂の危険があり、廃棄時は穴を開けるなど適切な処分を、としています
なお、この「7年」は業界団体(日本ガス石油機器工業会)が示す目安を各機関が引用している構造です。当編集部が確認した範囲では、法令が7年という期限を定めているという記載は見あたりませんでした。「法律で決まっている」という書き方はしません。

3. NITEが公表した事故 10年で91件

NITE(製品評価技術基盤機構)は令和6年12月26日、「"NO MORE ボンベ破裂"」と題した注意喚起を公表しています。

2014年度~2023年度の10年間で91件のカセットこんろ関連事故。調査完了86件のうち約4割が使用者の誤使用・不注意と推定。

NITEが挙げる3つのポイントは次のとおりです。

  1. 「カセットボンベを無理に押し込まず、取扱説明書記載の向きや位置に従う
  2. 「カセットボンベが異常に熱くなるような誤った使い方はしない。例として2台以上並べて使用しない
  3. 「カセットボンベはカセットこんろから取り外して、室内の40℃未満の場所に保管する」

東京消防庁も「こんろ火災を防ぐポイント」で、「カセットボンベを暖房器具の前や高温になる場所に置かない」「カセットこんろ全体をおおうような大きな調理器具は使用しない」「IHクッキングヒーターやガスこんろの上にカセットこんろを置かない」と注意を促しています。大きな鉄板や鍋でこんろ全体を覆うと、ボンベが加熱されて破裂につながる——という機序です。

4. 保管でやりがちなこと

  • 備蓄品と一緒に、車のトランクに入れる——夏の車内は40℃を大きく超えます。NITEの3点目に反します。
  • 使いかけを本体に付けたまま収納する——取り外して保管が原則です。
  • 2台並べて使う——鍋を2つ使いたくなる場面ですが、隣のこんろの熱でボンベが加熱されます。

5. 屋内で使うときの換気

カセットこんろは燃焼機器です。締め切った室内で長時間使えば、酸素が消費され、燃焼が不完全になります。停電時は換気扇も止まっている可能性があります。窓を開ける、短時間で使う——といった基本を、平常時のうちに家族で共有しておくと安心です。

まとめ

ボンベは1人1週間で約6本ボンベ約7年・こんろ約10年が目安(業界団体の基準を公的機関が引用)。事故を防ぐ要点は正しく装着・2台並べない・40℃未満で保管の3点です。

おもな出典:
  • 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」第7章
  • NITE(製品評価技術基盤機構)「"NO MORE ボンベ破裂"~約4割が誤使用・不注意 「カセットこんろの事故」を防ぐ3つのポイント~」(令和6年12月26日)
  • 国民生活センター「古いカセットボンベの取り扱いに注意」(2025年1月16日)
  • 兵庫県立消費生活総合センター 啓発資料(2024年12月)
  • 東京消防庁「こんろ火災を防ぐポイント」
本コラムは、内閣府・総務省消防庁・気象庁・農林水産省・消費者庁・国民生活センター・NITE(製品評価技術基盤機構)など、公的機関が公表している資料をもとに一般的な情報を整理したものです。特定の商品の性能や、災害時の安全を保証するものではありません。法令・ガイドライン・統計は改正・更新されることがあるため、最新の情報は各機関およびお住まいの自治体の発表をご確認ください。実際の避難行動は、そのときの状況と自治体が発令する避難情報、現場の指示に従ってください。