モバイルバッテリーとポータブル電源 PSEマークの見方
停電時にスマートフォンが使えるかどうかは、情報収集と安否確認に直結します。ここでは、買うときに確認できる法律上の目印を中心に整理します。
1. モバイルバッテリーはPSEマークが必要
電気用品安全法(電安法)のもとで、モバイルバッテリーは規制対象です。経緯は次のとおりです。
| 2018年2月1日 | 通達「電気用品の範囲等の解釈について」が改正され、モバイルバッテリーを電安法の規制対象として取り扱うこととされた。施行日より1年間の経過措置期間。 |
|---|---|
| 2019年2月1日 | 経過措置期間が終了。「2月1日以降は、基準に適合した製品でなければ販売できません」(NITE)。消費者庁も「平成31年2月1日からは、PSEマーク及び届出事業者の名称等が表示された製品でなければ、国内での販売が禁止されています」としています。 |
| 2024年12月28日 | 技術基準改正の経過措置が満了。「電圧監視機能が付いているモバイルバッテリーでなければ、日本で製造又は日本に輸入ができない」(消費者庁)。 |
2. 丸形と菱形 どちらが付いていればよいか
PSEマークには2種類あります。国民生活センターの説明によれば、
| 菱形(特定電気用品) | 116品目。「電気便座、磁気治療器、ACアダプター等その構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品」。第三者検査機関による検査が必須。 |
|---|---|
| 丸形(特定電気用品以外) | 341品目。リチウムイオン電池や電熱器具等。事業者自身による適合確認。 |
モバイルバッテリーは丸形です。国民生活センターは「2019年2月1日以降に販売されたモバイルバッテリーの本体には……PSEマークの表示が必要です」として丸形マークの図を示し、あわせて「PSEマークや届出事業者名等」が表示された製品を選ぶよう案内しています。マークだけでなく、届出事業者の名称が書かれているかもあわせて見る——これが実務上のポイントです。
3. 売る側にも義務がある
電気用品安全法第27条第1項は次のとおりです。
販売だけでなく陳列も禁止されています。つまり、店頭やネットショップにマークのない製品が並んでいること自体が、法律上は問題があるということになります。
4. ポータブル電源について
ポータブル電源(AC出力ができる大容量の蓄電池)については、当編集部が確認した範囲では「PSE対象か否か」を明示した行政の一次情報を確認できませんでした。
確認できたのは、電安法の登録検査機関である一般財団法人電気安全環境研究所(JET)が、試験・認証サービスの対象カテゴリとして「モバイルバッテリー/ポータブル電源/定置用蓄電システム」を挙げ、適用規格として JIS C 62133-2、JIS C 8715-2 を示しているという事実までです。
したがって当サイトでは、ポータブル電源について「PSE必須」とも「対象外」とも書きません。製品ごとに、どの認証・規格に適合していると表示されているかを確認するという形で扱います。
5. 選ぶときに見るところ
- 丸形PSEマーク+届出事業者名(モバイルバッテリー)
- 容量(mAh/Wh)と、実際に何回充電できるか——mAhの数字がそのまま充電回数になるわけではありません。変換ロスがあります。
- 出力(A/W)と端子の種類——手持ちの機器に合うか。
- Wh単価——ポータブル電源は容量差が大きいので、総額だけでは比べられません。
- 製造・輸入時期——2024年12月28日以降に製造・輸入されたモバイルバッテリーは、電圧監視機能が必須です。
なお、リチウムイオン電池は事故件数が増えている製品群でもあります。使い方と捨て方についてはリチウムイオン電池の事故と正しい捨て方でくわしく整理しています。
まとめ
モバイルバッテリーは丸形PSEマークと届出事業者名の2点セットで確認。2019年2月以降は不適合品の販売が禁止され、2024年12月28日以降の製造・輸入品は電圧監視機能が必須です。ポータブル電源のPSE適用については、公的な線引きを確認できていないため、製品表示で判断してください。
- 電気用品安全法(昭和36年法律第234号)第10条・第27条
- NITE「5年で2倍以上に!リチウムイオンバッテリー搭載製品の事故」(2019年1月24日)
- 消費者庁「リチウムイオン電池使用製品のトリセツ」(令和6年12月5日)
- 国民生活センター 消費者トラブルFAQ「PSEマークとは何か」「モバイルバッテリーのPSEマーク」
- 一般財団法人電気安全環境研究所(JET)よくあるご質問/リチウムイオン蓄電池等の試験・認証サービス